RICE INK CONSORTIUM

ライスインキ・コンソーシアムはライスインキの普及を目指した推進母体です。

ライスインキとは

ライスインキの特徴

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輸送マイレージ低減、地産地消の推進、食物の確保、廃棄物削減などライスインキの特徴と開発までの経緯をお伝えします。

ライスインキ誕生のきっかけ

2007年に株式会社サンエー印刷の主要顧客である中学受験進学塾最大手の日能研・高木幹夫代表から「子どもたちの将来のためにも、地球環境を守らなければならないので、少しでもできることをやっておきたい。だから米ぬか油を使用した印刷インキができないか」とサンエー印刷にお話をいただきました。
高木代表が米ぬか油に着目した理由は、「子どもたちが使う蜜蝋クレヨンは天然素材で石油系原料も含まれないので万が一口に入れても安全なものだ。普段から子どもたちと接する中で、日本でも何か安全で環境に配慮したものが出来ないかと思っていた。そこで油を考えてみると米ぬかが思い浮かび、米ぬか油からインキができないか」と考えられたとのこと。
さらに米ぬかは余って捨てられているので資源の有効活用が出来ること、大豆油が北米からの輸入であることに対して米ぬか油は国産米から搾油されるので地産地消に適うこと、大豆油は大豆という食料自体を工業原料にしているが、米ぬか油は白米の副産物(米ぬか)が原料なので食の確保ができること、これらが米ぬか油インキ開発の主要コンセプトとなります。
その際に高木代表は「米ぬか油を使ったインキができれば、子どもたちに日本の文化を教えることができる。もし多少インキ性能に問題がありコスレが出るものでも子どもたちに説明しながら使ってみたい。また環境のことを深く教えることができるのでなんとか完成させることができないか」という熱い思いをお聞ききしたサンエー印刷は、米ぬか油を使用した印刷インキを開発・実用化し、ぜひ環境による人づくりが重要なテーマの一つとなっている日能研様の教育現場で使用していただきたいと課題を持ち帰りました。

試作品の開発に

サンエー印刷ではさっそく米ぬか油について調査を始めましたが、米ぬか油は大豆油と同じ半乾性油であり、そもそも印刷インキには適さないものでした。しかし初期の大豆油インキも乾燥不良等の様々な技術的問題がありましたが、メーカーの努力で解決され、現在ではオフセット印刷の定番インキとして使用されるまでになりました。その経験も踏まえれば可能性はあるのではないかと、2008年2月にメーカー技術陣と検討の末、開発を依頼しました。
当初は日能研様用のテキスト、テスト等の印刷物用途で墨インキの開発を目指し、カラー印刷用などと初めからハードルを高くせず、あくまで日能研・高木代表の考えに添ったインキの開発を目指しました。

ライスインキの仕様決定
インキの仕様を決めるにあたり、米ぬか油の含有割合が大きな検討課題でした。当時2008年初頭に再生紙偽装事件があり、それに付随して新聞用大豆油インキの成分偽装も大きな話題になっていました。仕様決定は様々な角度から検討を行いましたが、米ぬか油の性状から多量の含有は難しいことは予測されましたが、まずは試作品でテストをして最終的には大豆油との置き換え目標としてソイシール基準(アメリカ大豆協会の大豆油の含有割合)の20%を目指すこととしました。
初めての試作品テスト

開発依頼から2ヶ月ほどで最初の試作品(枚葉・墨インキ)が完成しました。このインキの米ぬか油含有率はメーカーの研究開発の努力により、最初の試作品から20%含有のインキができてきました。このインキを実際の印刷物と同じ原稿でテスト印刷(水あり印刷・水なし印刷)を行ったところ、印刷機上での安定性・刷り易さは従来の大豆油インキとそれほど変わらず、若干の地ヨゴレ等の課題はありましたが最初のテストは問題なく終わりました。
このテストサンプルをメーカーで検証しましたが、従来のインキ性能の検証項目だけでなく米ぬか油を使用したインキの開発目的に沿ったテストをお願いしました。それはお子さんたちがテストやテキストを使う際に必要な「消しゴム耐性試験」。消しゴムを掛けたことによってインキが落ちてしまってはいけないので、既製の大豆油インキとの比較試験を行ったところ、試作品インキと他メーカーの大豆油インキでは、消しゴム耐性は若干試作品が高いことが判明しクリアすることができました。

ライスインキの実用化に向けて

その後、枚葉・墨インキの改良と評価テストを重ねた結果、2008年9月より日能研様の一部の印刷物から米ぬか油インキの使用を開始、印刷適正、刷り上り、加工適正、使用段階で問題はなく、実用化が進められました。
メーカーではさらに2008年内に枚葉・プロセスカラーインキ、オフ輪用インキを、2009年にはUVインキと新聞輪転用インキを完成するというスピード感のある開発が進められました。
2008年12月に東京ビックサイトで開催された「エコプロダクツ2008」展に日能研様が出展、そこで「ライスインキ」と名称が決まった印刷インキの開発・実用化を発表したところ、新たな環境配慮型印刷インキの出現に大きな話題となりました。
ライスインキは当初サンエー印刷が日能研様に供給する特別インキとして開発を依頼し使用するものでしたが、日能研・高木代表の「エコに優れて良いものは独占しないで広く普及していこう」というコンセプトの元、インキメーカーも一般販売をすることとなり、ライスインキの普及推進のためにライスインキ・コンソーシアムが生まれました。
発表から数年後には、日能研様のほぼ全ての印刷物がライスインキによる印刷になり、日能研・高木代表は「ライスインキが完成したことで、大豆油インキはアメリカの文化、ライスインキはアジアの文化になれば良いと思っている。多くの子どもたちの目に触れるチラシやパンフレットなどで、アジア圏の米の文化であるライスインキ・マークの印刷物が増えていけば良い」と思いを語られています。

一連の環境関連賞を受賞

2011年から2012年にかけてライスインキコンソーシアムで普及を推進している「NonVOCライスインキ」が栄誉ある環境関連各賞を受賞しました。対象製品は東洋インキ製「TOYO KING NEX NV100ライス」で、開発のコンセプトと、当コンソーシアムが発信してきた環境に優しく、子どもたちに少しでも安全な製品をという製品理念が評価されたものです。以下に受賞した各賞をご紹介致します。


・2011年11月9日
 2011年度グッドデザイン賞特別賞
 「グッドデザイン・サスティナブルデザイン賞」
(主催)公益財団法人日本産業デザイン振興会


・ 2011年11月21日
 第8回エコプロダクツ大賞「エコプロダクツ部門」
 「エコプロダクツ大賞推進協議会会長賞(優秀賞)」
(主催)エコプロダクツ大賞推進協議会


・ 2012年2月29日
 第21回地球環境大賞にて「経済産業大臣賞」
(主催)フジサンケイグループ


一連の受賞にて評価された点は、下記の通りです。

  1. 1. 需要全量を国内で調達できる米ぬか油での輸送マイレージ最小化によるCO2削減
  2. 2. 地産・地消の産業経済循環サイクルを形成
    (搾油後脱脂ぬかの産地飼料メーカーによる再利用・食用油の再利用)。
  3. 3. VOC(揮発性有機化合物)発生ゼロによる環境負荷低減

 

(参考URL)
グッドデザイン賞
http://www.g-mark.org/
財団法人地球・人間環境フォーラム「第8回エコプロダクツ大賞の結果について」
http://www.gef.or.jp/ecoproducts/8th_result/index.htm
「地球環境大賞」
http://www.fbi-award.jp/eco/about/index.html

ライスインキの性能と印刷適性
ライスインキの性能については、ベンチマークである大豆油インキと比較することで明確になります。各製品別の性能比較は性能比較表を参照してください。
印刷適性については、枚葉水あり、水なし及びヒートセットオフ輪印刷とも、現行の大豆油インキの適正とほぼ同じ条件での印刷が可能です。ただし、大豆油インキと同様に用紙に対する適性は銘柄により大きく異なりますので、個別の対応が必要となります。
大豆油インキで普通に印刷しているものは、そのままの条件でライスインキに転換が可能で、ライスインキのための機械調整等は不要です。

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